Claude Code Academia

はじめに — 14年前のWEB制作と、今

僕が独立した年、2012年のことです。

ちょうどその年、福岡県の補助金で社員を1名、全額県の補助で半年間雇える、という制度がありました。当時の僕はコンサル事業を一人で立ち上げたばかりで、何もかも手探りだったんですけど、「コンサル事業だけじゃなく、WEB 制作もできるようになっていた方が事業の構成としていいだろう」と思って、この補助金を活用することにしたんです。

職種はわりと自由に指定できたので、「WEB デザイナー」として募集をかけました。今思えば、当時の僕は WEB 制作の中身がどう分かれているのかすら、まったく知らなかったんですよ。

「タダで雇えるとはいえ、Mac と Adobe は雇い主側で準備しておいてください」と言われ、iMac を20万円、Adobe を30万円。Adobe は当時まだ量販店でパッケージ版を買う時代でした。買って半年後にサブスク型になったよね。。。という、なんとも言えないタイミング。結局、初期投資は50万円ほどになりました。


そんな状態でスタートして、ある日、クライアントから EC サイトの制作を依頼されました。彼女に業務を振ると、カラーミーの設定から、イプシロン(決済代行)の審査まで、テキパキ進めてくれて、形になっていきます。

ただ、ある程度作業が進んだ後で、僕がアレコレと注文するものだから、ある日彼女に会議室に呼ばれて、ホワイトボードの前でこう言われたんですよ。

社長が求めている作業は、エンジニアの仕事です。私はデザイナーです

「WEB デザイナーとエンジニアの違い」について、1時間、多少の怒りを込めてレクチャーされました。

僕は、その役割分担があることすら、その時まで知らなかったんです。「WEB 制作」は「WEB 制作」という一つの仕事だと、ずっと思っていました。


なんで今、この話を思い出したのか、という話なんですが——。

今、僕が当時彼女に頼んでいたようなこと、全部、Claude Code 上で依頼してやってもらっている感覚があるんですよ。

しかも、不機嫌にならない

夜中にふと思い出して「あ、あれもやっておいて」と作業指示しても、嫌な顔一つせず、爆速で作業を開始してくれる。

最初に補助金で雇った彼女との契約は半年で終わったので、その後は、営業事務で雇った別の社員に、「Mac 使って Adobe 使えるようになって」って頼んで、ワードプレスの本を一冊買ってきて「これで WEB 作れるようになって」と頼んで、独学で覚えていってもらいました。彼女もめっちゃ勉強してくれて、最終的にはクライアントの WEB 制作を数十件請け負って、そこそこのクオリティで仕上げてくれる人になってくれました。

それはそれで、素晴らしい成長だったんです。でも、振り返ると、ものすごく時間がかかった


何も知らなかった2012年から14年経って、こんなにいい時代になったんだな、と実感しています。

今、社内で WEB 制作をやっているスタッフにも、これまでのフロー——「サーバー契約、ドメイン取得、WordPress で実装」という業務フロー以外の方法を、僕でも出来たんだから、学んで幅を広げる機会になってほしいなと思ってます。

そして、当時の僕みたいに「WEB 制作って、専門職に頼まないと無理だよね」と思っている全ての人にも。


本書は、特別な前提知識を持たない人——プログラミング経験がない、ターミナルを開いたこともない、40代後半から60代を中心とした人——を想定して書いた本です。僕自身が3週間で、複数の Web アプリを作り上げた経験を、できるだけ忠実に「学習可能な型」に落とし込みました。

12章、約74レッスン。全部読み通すのに50〜70時間くらいかかると思います。

最初は「ターミナルって何?」というところからスタートします。第1章を読み終わる頃には、自分の手で動くストップウォッチアプリと、自分のカフェ紹介ページが、手元にできているはずです。


それでは、始めましょう。

14年前は専門職を雇わないとできなかったことが、今は自分でできる時代へ、ようこそ